患者様へ
■PRP治療とは
PRP療法とは、自分の血液中の血小板に含まれる成長因子が持つ修復能力を利用し、人間に本来備わっている「治る力」を高めることでケガや病気の治癒を促す再生医療です。私たちの血液は、血球(赤血球・白血球・血小板)と血漿で構成されています。血小板が放出する成長因子には、細胞増殖や血管の形成などに役立つものが数種類あります。それらが損傷部位に直接働きかけて細胞増殖を促進し、修復機能を高め、自然治癒力によってケガや病気を治療するのです。これ以上分化して別の組織になることがない血液中の血球成分を培養することなくそのまま使うため、安全性の高い再生治療だと言われています。
最近では、メジャーリーグへの移籍前にプロ野球選手の大谷翔平選手がPRP治療をしたというニュースが話題になりましたが、海外では、2000年頃からサッカー選手やメジャーリーガー、プロゴルファーのケガの治療などにPRP療法が使われていました。日本でも、それに数年遅れて、難治性皮膚潰瘍・褥瘡(床ずれ)・やけど・糖尿病疾患による壊疽・歯槽骨・歯肉の再生促進、整形外科分野の特にスポーツなどによる肘やひざの痛み、腱や筋肉の損傷への治療で使われており、新しい治療法として注目されています。
■よくあるご質問(FAQ)
➊「PRP(多血小板血漿)治療」とは?
PRP(多血小板血漿)治療は、医療の現場において、スポーツ選手のケガの治療や、歯科のインプラント治療などで、すでに日本でも用いられています。
➋治療にはどれくらいの時間がかかりますか?
産婦人科での PRP療法の場合には、原則として施術は2回で1セットです。1回の施術に30分間ほどを要します。1回目の施術後、約48時間をおいて2回目の施術を行います。 詳細は各医療機関にお問い合わせください。
➌安全性はどうですか?
自分自身の血液を用い、しかも培養操作が不要なため、安全性は高いと言えます。また特別なキットも用いてないため、さらに安心して治療を受けていただけます。
❹副作用はありませんか?
採血前まで自分の体に流れていた、本来は傷を治す働きのある血小板を精製して少量注入するだけなので重い副作用は報告されていません。ただし、一般的な注入治療と同じく、注入治療による痛み、赤み、腫れ灼熱感、皮下出血などの副作用がありえます。もちろん多くは一時的ですが、症状の強い場合は、治療を受けた医療機関にご相談ください。
❺日常生活の制限はどうですか?
治療当日の激しい運動や飲酒、マッサージなど治療部位へ刺激が加わるようなことはお控えください。
❻効果はどうですか?
一般的な PRP療法においては即効性はありませんが、数時間から6か月で組織の修復が起こり、自然な効果が認められてきます。効果やその持続期間には個人差があります。自分自身の組織を修復する治療なので、長期間にわたって治療効果が認められます。また繰り返しの治療を行うことは可能です。
❼施術費用は?
PRP療法は保険適用外となり自由診療ですので、各医療機関ごとに金額は異なります。
❽その他
体調の良くない場合や、血液の状態によっては、1度の採血ではPRPが分離できず治療できない場合もあります。その際には、再度採血をする場合があります。
❾どこで治療を受けられるのですか?
日本では再生医療法があり、治療できる医療機関は限られます。当研究会の「会員施設」をご参照いただくか、下記のお問い合わせフォームよりご連絡いただければ、ご希望のエリアの医療機関をご案内します。